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三重県榊原温泉地に田んぼアート

田んぼアート
三色の稲が作り出す田んぼアート

 三重県津市榊原町には「七栗の湯」と呼ばれる榊原温泉が有名。万葉の時代からお伊勢さんの“湯ごりの湯”として利用されてきた。平安時代には清少納言が「枕草子」に「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯」とうたわれている「三名泉」のひとつと数えられる。
 榊原温泉地を北西に進むと道の脇に田んぼが広がり、遠くには青山高原が見えて巨大風車群が立ち並ぶ。今年の夏、榊原町安子地区で豊かな景観形成を目指して水田に三色の稲が植えられ、初めて田んぼアートが彩る。風車と太陽、それは三色米が作り出した一枚の自然風景であった。三色米にはそれぞれ古代米の紫稲(黒)と大黒稲(黄)、そして現在栽培されているキヌヒカリ(緑)が使われ、三基の風車に青山高原、そして太陽などが見事に描かれた。
 現代の米と古代米がそれぞれ発育が違い、上手な地上絵に仕上げるのは難しいという。来年はどういう田んぼアートが見られるのかと思ううちに、楽しみも一つ増えた。