鳥羽市国崎町は海女の祭り、御潜(みかづき)神事で有名。また、熨斗鰒づくりで伝統的技法が受け継ぐ『神宮御料鰒調製所』が全国で唯一残る場所でもある。11月23日、国崎町で海士潜女(かずきめ)神社の祭礼として、二隻の船に別れてその早さを競い合う二船祭があった。
午前中に鳥羽市安楽島町で大漁祈願祭を見た後、すぐパールロード経由で国崎へ走った。昼過ぎに到着し、海士潜女(かずきめ)神社や海岸沿いを散策。周りは静けさに包み、波の音だけが轟く。本祭を前に、地元の海女らが海に向って赤飯、なます、魚、お神酒を供え、安全豊漁を祈る姿が印象深い。
午後3時、地元海間谷チームと里谷チームが前浜で裸にして水垢離をとった後、二隻の船に5人づつ乗り合い競漕が始まった。100メートルの沖から浜へ4回繰り返し、五回目が勝負。里谷が勝つと鯔、海間谷が勝つと鰯が大漁になるといわれる。潮を噴きながら懸命に櫓を漕いた結果、里谷チームが先にゴールインした。
鳥羽市海岸で生きる安楽島と国崎の人々がそれぞれ古くから伝えられる大漁祈願祭は、その形が違うけれど、海にたより海への感謝と願いは変わらないモノと率直に感じた。