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「鎮魂の火」須賀川松明あかし

 去年11月12日、私は東北へ赴いた。当日は福島県を代表する晩秋の風物詩として、420年の歴史を持つ須賀川松明あかしが催される。毎年、30本の松明が須賀川市五老山で燃やし、戦国時代の伊達氏と二階堂氏の合戦戦死者の鎮魂が由来とする。震災と人災が重なり、地元産カヤと竹から微量の放射性物質を検出され、全国に材料を呼びかけた。
 去る3月11日に発生した東日本大震災の犠牲者への追悼と復興を祈願し、22本の松明が五老山の夜空を焦がした。地元市民の団結力と絆が伝統の「火」を点され、受け継がれ、勇壮な火の祭りを目の当たりにすることができた。五老山で無数の松明が織りなす炎を眺めながら私は酔いしれた。
 震災地は今も苦しい状況にいる。無念な思いをする人々を考えると心が痛む。松明の赤い炎が須賀川の皆様の心灯になり、早く震災地の「復興のあかし」に成る事を祈る。(鳥羽市 李相海)

須賀川松明あかし
長さ10m、重さ3トンの大松明を街で練り歩く

須賀川松明あかし
大松明を五老山に担ぐ

須賀川松明あかし
大松明に火をつける

須賀川松明あかし
鎮魂の炎が舞う

日本大震災への中国応援歌『日本不悲傷(日本よ悲しまないで)』