伊勢志摩に来て八年が経ちました。ここで生活と仕事をする上で、一番感心したのは綺麗な海と海女の存在だと振り返ります。
2008年10月、鳥羽市神島の『潮騒』ロケ地巡りで、中国で知れ渡る女優の山口百恵さんが海女の姿で映った写真を見て、海女への関心が広がりました。
鳥羽・志摩を結ぶ海道、パールロード(海女海道)を百回以上も通い、目線は常に海女のいる海岸線を意識しました。
日本の半数近くの海女が伊勢志摩にいることは、志摩半島が海の宝に恵まれていることを証明してくれます。しかし、海女は年を追うことに減少しつつあります。海の博物館調査によりますと、1972年に鳥羽・志摩の海女数が4,124人に対して、2014年には761人まで減少し、海女の平均年齢は65.3歳と高齢化しています。海の乱獲、海洋汚染、生活環境の変化等の複合要因で、自然と海を頼りに生きる海女の生業と文化が徐々に消え去ろうとしています。
海女礼賛写真展では2010年から今年(2015)4月まで、伊勢志摩を中心に撮った海女の祭りと生業、志摩の海女撮影会、房総半島の南端で行われる白浜海女まつり、岩手県久慈市の北限の海女フェスティバル、そして韓国済州島の海女(ヘニョ)など、計30枚を配しました。
素潜り漁法で生きてこられた海女は、日本と韓国にしかいない特別な存在です。海女文化を守ることは、自然と海、そして人間たちの将来を守ることにつながります。早くユネスコ無形文化遺産に登録され、海女文化が末永く守り伝えてほしいと思います。
この写真展を通じて、多くの人々が海女に関心を持ち、海女文化が広く知られることを期します。 (2015年5月18日)
海女礼賛写真作品
海女写真(一) | 海女写真(二) | 海女写真(三) |
海女写真(四) | 海女写真(五) | 海女写真(六) |
海女写真(七) | 海女写真(八) | 海女写真(九) |
海女写真(十) | 海女写真(十一) | 海女写真(十二) |
「海女礼賛」写真展 伊勢新聞掲載(2015年5月16日)(PDF 3,74MB)
「海女礼賛」写真展 中日新聞掲載(2015年5月17日)(PDF 1,34MB)
「海女礼賛」写真展 毎日新聞掲載(2015年5月18日)(PDF 731KB)
「海女礼賛」写真展 読売新聞掲載(2015年5月22日)(PDF 2,76MB)
期間/2015年5月15日(金)〜5月26日(火) 9:00〜18:00
会場/三重県鳥羽市大明町1番1号 鳥羽ショッピングプラザ ハロー 2階催事場(入場無料)
お問い合わせ/鳥羽ショッピングプラザ ハロー
TEL/0599−26−3309 URL http://www.toba-hello.co.jp/info.htm
「海女礼賛」李相海写真展(PDF 4,16MB)