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「鳥羽志摩の海女」李相海写真展について

潮水を絞る海女(李相海写真展)
潮水を絞る海女(李相海写真展)

 昨年(2015)春、随筆『現代の海女』の出版が決まってから、すぐ韓国・済州島へ旅立ちました。伊勢志摩で海女との巡り合いが10年も会っていない母を思い出し、そして済州島で再会を果たしました。済州島では母と一緒に旅し、済州島海女とも多く出会えました。 
 日本へ戻ってから、仕事の合間を縫って「海女礼賛」写真展を催し、大いに評価されました。その後も、多くの海女と出会い、語らい、海女への関心は益々深まりました。
 海人は、伊勢志摩の先住民であり、遥か昔、国という概念がない時代に海を漂流する潜水漁猟民族であることは、歴史の記録からも窺うことができます。黒潮圏で他愛もなく、逞しく生き続けてこられた海女たちは、海という果てしない生命の母との繋がりを覚えます。
 海、女、母に宿る愛情はいつも平和で、穏やかで、遂深にあります。私は、自分の中で受け継がれる先祖の血を強く意識するときに、常世(異)と浮世(俗)を行き交う海女の存在が道標のように心を奮い立たされ、年寄り海女・母・海が一つに重なり、海をこれ以上汚さないでほしいと、願うばかりです。
 今回、展示させていただいた海女の写真は、すべて新しく選びました。
 最後に、より多くの人々が志摩半島の海女文化に興味を持って頂けることを願っております。

期間/2016年4月1日(金)〜9月30日(金) 鳥羽1番街の営業時間内
会場/三重県鳥羽市鳥羽1-2383-13 鳥羽1番街 2階どんぐりの森前スペース
お問い合わせ/鳥羽1番街 コンシェルジュ
TEL/0599-26-3331 URL http://www.toba1ban.co.jp/